――――――そうして、気づけばここにいた。








「―――む。ここは…………」


 やけに靄掛かっている頭で辺りを見渡す。どうやら私は随分と大きい木の枝に、幹に寄りかかる形で座っているようだ。視線を上げてみれば、枝と葉の隙間から丁度月が見えて、その鮮明な明かりを目に受けることで霧も幾らか晴れてくれた。


「しかし…………私はどうなったのだ?」


 とりあえず頭が回復するまでこの場を下手に動かぬことに決め、折角なので月見を楽しみながら自分の状況を確認する。


 名は佐々木 小次郎。そのように役割を与えられたのだから、これを名乗るしかあるまい。


 体に傷はない。セイバーに付けられたはずの傷は、跡形もなく綺麗に無くなっていた。


 記憶に障害もない。生前のことも、聖杯戦争のことも、生涯初の決闘のことも鮮明に記憶している。


 何故か受肉している。アサシンというサーヴァントでもない。恐らく、あの男の手によるものだろう。


 戦闘は可能のようだ。背には愛刀である備中青江―――たわみも修復されている―――が挿されていて、セイバーが相手であろうと剣戟を繰り広げられる。


 結論。私はあの男のおかげで新たな生を手にいれたようだ。


「これは…………あの男に感謝せねばな」


 自分に何の問題もない―――寧ろ良いことが起きたと分かり、私はここを動くことにした。先ずはどういった場所にいるかを確認するため、この大樹の頂点から辺りを見渡そうと登り始める。


 枝から枝に移動して徐々に頂点を目指す。そうして登り切り、周囲を見渡すと―――


「――――――素晴らしい」


 広大な敷地に広がる、幾つもの建物を見た。


 どうやらこの大樹は想像以上の大きさだったらしく、街の全景を余すこと無く見渡せる。建物は一様に同じ形をしておらず、やはり私の時代との差を感じた。夜中だというのに町中に明かりが灯っており、以前と同じく地上に星空が降りてきたような錯覚を起こさせる。一方を見れば変わらぬ海が広がっており、とてつもなく大きい橋も架かっていた。殊更に大きな建物も有る。その屋上は二つに別けられており、それぞれが中々の広さを持っていた。


 あれは何に使うものなのだろうか。向こうのあれは何の為にあるのだろうか。


 見渡す限りが知らぬばかり。改めて実感した新たなる生と自由を全身に受けて、私は再び、あの男に感謝の念を奉げた。


「さて、先ずはどこに行こうか」


 視界に入る全てが未知の文化。はやる心を抑えず、私は早々に大樹を降りて足を何処かへ向けた。












 九つの氷の矢が夜の空気を走る。六つは狙い通りに命中したが三つは避けられ、命中した内の更に二つは致命傷を与えられなかった。結果四体の鬼を還したが、その返礼にと氷の矢を避けた三体の鬼が私に接近を仕掛けてくる。距離を保つために私は後ろへ下がり、その後退をカバーしようと茶々丸が私と鬼の間に割り込んだ。力任せに振るわれる鬼の爪を避けたり捌いたりと受け流し、かつ私への接近を許さない茶々丸の技量は、いつ見ても舌を巻くものがある。


「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック。氷爆ニウイス・カースス!」


 茶々丸が稼いだ時間を使い詠唱を済ませ、茶々丸が相手をしている三体の鬼目掛けて魔法を放った。氷と凍気と爆風という三つの凶器が三体の鬼を同時に切り刻み、その存在を向こう側へ還した。


「マスター。敵兵数、残り二十です。このままでは数で押し切られる危険性が」


「そんな事は分かっている。敵も随分と周到だな」


 魔法が発動する寸前に鬼たちから離れ、私の下に戻ってきた茶々丸が無感動な言葉で、今の私たちに好ましくない敵の情報を伝えてきた。


 とある呪いによって魔力を制限されている私にとって、長期戦や数に劣る戦いは非常にまずい。魔法を発動させる触媒の数は限られているからだ。残数を考えると、よほど効率よく仕留めなければこちらの手札が先に尽きてしまうのは明白だった。


 私がこの妖怪討伐の仕事を受けた時、侵入したモノの数は二十程と言われた。だから私はそれに見合った装備を整えて、侵入地点である世界樹近くの森にやってきたのだ。実際、その数は報告にあった通りだった。


 だが、問題はその後に起きた。


 召喚されたモノどもを半分程元居た場所に還し、これは楽勝だな、と思った瞬間に再び結界に反応があった。地点は同じ、今私がいるここ。数は三十。敵は端から戦力を二つに別けていたのだ。


 正直これには焦った。今日は満月が過ぎ去ったばかりだったので私の魔力は少なく、魔法にいつもの威力もない。触媒も万が一のイレギュラーを想定して多めに持ってきてはいたが、今回はそのイレギュラーの規模が違った。私が想定したイレギュラーは十程度だが現実はその三倍、しかも元いたモノどもより厄介な連中が大半を占めていた。


 これを召喚した魔法使いはかなりの手練だろう。恐らく今も私たちを監視しているはずだ。でなければあんな絶妙のタイミングで本命を送り込む事など出来ない。


「ええいあのジジィめ、いい加減な仕事をしおって! 帰ったらあの後頭部を三センチ埋め込んでくれる!」


「マスター、現実逃避はその辺りに。来ます」


 淡白な切り返しを残して茶々丸が敵を迎えうつために踏み出した。ちっ、と舌打ちを一つしてから触媒を取り出し、次に相応しい魔法を検討する。


 茶々丸が相手に取っているのは四体の鬼。その内の二体は先ほどの三体より体が一回り大きく、その手には大木のような棍棒が握られていた。それを力任せに、何も考えず振り回していく。確かに当たればイチコロだろうが速度も遅く隙だらけで、茶々丸なら避けるのにそう苦労は無い。現に鬼の棍棒は空を切り、辺りの木だけを薙ぎ倒している。


 だが、問題は残りの二体だ。


 この二体、先ほどの三体の鬼よりも体が一回り小さく、小回りがよく効くようだ。その分力は劣るが、速さで言うならやつらを上回っていた。小型の鬼は機動力を生かして茶々丸を牽制し、同時に巨躯の鬼の隙をカバーしている。茶々丸はその所為で攻撃も防御も苦戦している。棍棒を避けて反撃しようとすれば牽制が入り、牽制を潰そうとすればそこを棍棒が襲う。防御もこれと同様だ。


「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック。氷の精霊17頭セプテンデキム・スピリトゥス・グラキアーレス。集い来たりて敵を切り裂けコエウンテース・イニミクム・コンキダント」


 私の視界には徐々に押され始めた茶々丸の姿が映っている。大鬼の棍棒は直撃こそ食らっていないものの、小鬼の爪が何度か掠ったのか表面に薄い爪痕が見えた。触媒を両手に一つずつ握り、威力が少しでも高まるようにと詠唱を慎重に紡ぐ。


「『魔法の射手サギタ・マギカ・連弾セリエス・氷の17矢グラキアーリス!』 茶々丸! 真っ直ぐ跳べ!」


 触媒が弾け、十七に及ぶ氷塊が疾駆する。意思を持っているかの如く軌道を変化させて迫って行くそれは、私の意を読んで真後ろに跳んだ茶々丸へ、道を作り出すかのように円を模り飛んでいった。追撃を仕掛けようと茶々丸を追った二体の小鬼は、それぞれ四つずつ氷塊をその身に受け、残りの九つは大鬼の急所に全弾命中した。


 還って行く四体の鬼を見届け、次を警戒して触媒を手に握る。だが間を置かず来ると思われた襲撃はやって来ず、残っている十六体程のモノどもは私たちから一定の距離を置いて、遠巻きから観察しているだけだった。


「…………ちっ。薄々感づいてはいたが、今回の術者は性質が悪すぎるな」


「同感です。ですが、戦術的にはとても理に適っています」


「そんな事は分かっている! だから余計に腹が立つのだ!」


 八つ当たり気味に茶々丸に叫ぶことでいくらか頭を冷ました後、いずこかにいるだろう忌々しい術者に負の念を向けた。


 敵の術者は終始、先ほどのようなペースで鬼どもをけしかけて来ていた。一度に襲わせるのは必ず少数。それによって、少しずつ相手の戦力を測っていく。かつ、回を重ねる毎に強さのレベルを吊り上げていく事で相手の消耗も同時に引き起こせる見事な『数』の戦術。弱点らしい弱点は無く、駒の使い様によってはある程度格上の相手でも仕留められる王道だ。


 並みの実力者ではなす術もなく、間違いなくやられてしまうだろう。


 だが、突破口が無い訳ではない。


「茶々丸」


「はい、マスター」


「下準備をする。牽制をしつつ私を守れ」


 答えを待たずに走り出す。茶々丸は私が何をしたいか即座に理解したのだろう、ピッタリと私の後に続いてくる。私たちが踵を返したのを見て、鬼どもも逃がすまいと追いかけてきた。一瞬だけ振り返ってそれらを確認し、逃げる方向を変えて更に逃走する。足の速い鬼どもが追いついてくるが、それは茶々丸が応戦して追い払った。


 また方向を変える。鬼が追いつく。茶々丸が追い払う。ひたすらにその繰り返し。その間に、着々と勝利への布石を張り巡らす。


 そうして布石が完成し、絶好の機を窺うために立ち止まって振り返った。


 三体。まだ早い。


 六体。まだだ、まだ待て。


 十体。もう一息。


 十二―――


「今だ茶々丸!」


「はい、マスター」


 茶々丸が空を掴み、両手で何かを引く。茶々丸が持ちえる最大の力を持って引かれたそれは、瞬く間に輪を縮めてその中にいた十二体を一点に纏め上げる。


 それは知らぬ者が見れば、いきなり奴らが一箇所に集まったように見えただろう。現に難を逃れた四体は、いきなりの仲間の行動に動きを止めていた。


 その度し難い一瞬の隙を確認し、間髪入れずに詠唱を開始する。


「リク・ラック・ラ・ラック・ライラック。氷の精霊40頭クァドラーギンター・スピリトゥス・グラキアーレス。集い来たりて敵を切り裂けコエウンテース・イニミクム・コンキダント」


 私が逃げながら張っていた布石とは、糸。人形を操るために使う、抜群の強度を誇る糸だ。それを輪になるよう周囲に張り巡らし、内側に敵が来るような位置取りをして、その時が来れば茶々丸が糸を引いてその輪を縮める。そうして一箇所に固めた敵を―――


「―――『魔法の射手サギタ・マギカ・連弾セリエス・氷の40矢グラキアーリス!』


 魔法で一気に薙ぎ払ってしまえばいい!


 これこそが弱点。数を小分けして攻めて来るという事は、残りの敵は唯立ち止まっているという事。更に的確な連携を取るためには、ある程度距離が近い位置に全員が固まっていなければならない。そこを多数同時攻撃が可能な魔法で攻めてしまえば、要である『数』を失ってこの戦術は成り立たなくなる。


 捕らわれた十二体が私の詠唱に気づき、糸を切ろうともがくが、私の糸はそう易々と切れるほどやわな代物ではない。そもそも十二体が縛られていると言っても、実際に抵抗できるのは外周にいる七、八体に過ぎず、更にその糸を抑えているのは茶々丸だ。敵う事は出来ずとも、少しの間押さえるくらいは造作も無い。


 固定された標的に向かって、大量の氷塊が疾走する。なおも人外どもがもがいていたが、その抵抗も虚しく氷塊が奴らに牙を剥いた。次々と着弾し、耳をつんざく轟音を響かせながら奴らの体に風穴が開いていく。特に頭部を集中的に攻撃するため、四十もの氷塊を頭上から降り注がせる。その内の幾つかを糸に掛からなかった四体に向けて放ったが、三体はそれを打ち落としてしまい一体だけを仕留める形になった。


 轟音が鳴り止み、舞い上がった土煙が収まった頃、十二体の人外がいた場所に血の海が形成されていた。流石に十を超えるモノから流れ出た血の量は凄まじく、そこを中心とした半径二メートルは真っ赤に染まっている。脳漿や眼球なども飛び散っている惨状は、さながら小規模の地獄絵図といった所だろう。触媒を四つも使った魔法は、それに相応しい結果を出してくれた。


「ふぅ…………。これで残りは三体。何とかなりそうだな、茶々丸」


「はい。ですがマスター、油断をなされては……―――!」


 振り返りつつ口を開いた茶々丸の言葉が途中で詰まる。そして、凄まじい勢いでこちらに近づいてきたかと思うと、問答無用で私の襟を掴み力任せに引っ張ってきた。あまりの力の強さに首が前後左右にとめどなく揺れてしまうが、それすらも無視した茶々丸はバックステップを二度踏んで距離を取り、更に横に飛んで残っている鬼を左目に捕らえて停止した。


 信頼している従者のいきなりな行動に度肝を抜かれつつも、私の背後だった場所にその理由があると思い、地に下りて後すぐさまそこに視線を走らせた。


 ―――その場所には、新たな人外がいた。体の大きさは人間と大差無いが全身に鋼のような筋肉を纏っていて、背中には黒い翼があり手には無骨な剣が握られている。そして何より、頭部が鳥―――烏の形をしている姿は、誰がどう見ても人外だと分るだろう。


 剣を振り下ろした体制のままこちらを見ていた人外が、ユラリと立ち上がり体をこちらに向ける。よく見れば私がいた辺りに、細長い金色の何か―――恐らく私の髪の毛が、一房ユラユラと舞っていた。


 烏族。今まで相手にしていた鬼とは一線を画す、武芸に秀でた人外。人外としての位は中々に高く、今この状況においては強敵と断言してもいい存在だ。ただでさえ厄介な増援が烏族だとは、今日は何かの厄日だろうか。しかも私を強襲した烏族の背後に、更に二体の烏族が舞い降りてきた。悪夢はここに極ったと言っていい。


「……思った以上に粘ったな。まさか、ここまで数を減らされるとは。召喚主もさぞ驚いている事だろう」


 最初に降りてきた烏族―――雰囲気から察するに、恐らく頭だろう―――が、その歪な口ばしから言葉を発する。それは寧ろ、現代の日本人の方が遅れを取るのではと思わせるほど、流暢に響いた。


「はっ、ほざけ。この私を誰だと思っている。『闇の福音ダーク・エヴァンジェル』『不死の魔法使いマガ・ノスフェラトゥ』の異名を取る最強の魔法使いだぞ」


「ほう…………異名を付けられるほどの魔法使いか。それは確かに、あの程度の下級妖魔では相手にならないな。だが見ていた限り、戦い方こそ上手いがそこまで強い力は感じなかった。これはどういう事だ?」


「わざわざ敵に教える事ではない。まぁ強いて言うなら、貴様らなどあれで十分だという事だ」


「ふっ。触媒を使わねば魔法を撃てず、小細工を弄さなければあの程度の妖魔も倒せない者がよく言う」


 嘲笑を浮かべ、私の強がりを一刀両断する烏族。どうやらコイツは随分と理知的らしい。剣を握る姿にも雰囲気にも、油断や隙を見出せない。間違いなく、コイツが術者の切り札なのだろう。この私でさえ、ここまでの人外は数年ぶりだ。


 烏族の頭が、静かに片手を上げた。それを見た後ろの烏族が剣を構え、いつでも踏み出せる体勢になる。残っていた鬼も烏族たちの周りに移動し、その凶々しい爪を殺気でギラギラと輝かせている。


 ……状況ははっきり言って絶望的だ。残っている触媒の数は三つ。これでは鬼を倒せても、烏族は倒せない。よしんば倒せたとしても、あの烏族の頭だけは倒せないだろう。茶々丸単体でもアイツには勝てない。援軍でも来ない限り、私たちの敗北は色濃い。だが、そう都合よく援軍が来る訳―――


『…………まて、援軍? そうだ……!』


 敵の術者はこの人外たちを、二つに別けて攻め込んできた。それはつまり、結界にも二回掛かったという事だ。ならばその反応を感知して、誰かしらが今も救援に向かってきているはず。ここの結界に掛からず麻帆良に侵入するのは私でも不可能なのだ、それは間違いない。


 ならば、私がやる事は少しでも時間を稼ぐという事だ。そうすれば援軍が到着し、この状況も打破できるはずだ。


「さて、無駄話もこれくらいにしよう。知っての通り、私達は契約を全うするモノ。お前に怨みは無いが、契約を果たすために死んでもらう」


 烏族の頭が言葉を発し、号令の手に力を込める。それを聞き取り茶々丸が身構える。私も、残った触媒の一つを握り締め、何が来ても対処できるように腰を落とした。


 そして、烏族の頭が、合図を振り下ろし―――





「――――――ふむ。斯様に美しき花を摘み取ろうとは、雅を知らぬと見える。いや、化生の者とは、得てしてそういう物か」





 その前に。静かな凛とした響きが、全てを止めていた。


 私の背後から聞こえてきた、まるで涼風を思わせる透き通った響きに、この場にいた全員の目が出所へ向けられる。私たちが声の主を見ようとすれば人外どもに背を向ける形になってしまうが、今は構うまい。それよりも、この声の主を確認するのが先決だ。


 先ず目に映ったのは、鮮やかな金糸の刺繍が施された紫の陣羽織。その下に着物と袴を着込み、足には足袋と草鞋を履いている。自然体から垂らされている余りにも長い刀には月光が反射して、あたかも地上に三日月が降りて来た様な錯覚を起こさせる。顔立ちも尋常ではないほど整っており、ポニーテールに纏められている長髪と余裕然としている微笑が、嫌味なほど似合っていた。


 それは現代において、余りにも不自然極まる出で立ちだが、この男に違和感はまるで無く、全く自然にそれら全てを着こなしていた。


 ―――侍。そう呼ぶに相応しい存在が、目の前に優雅に立っていた。


 …………誰だ、こいつは。私はこんな奴知らない。ジジィが新たに雇った退魔師かとも思ったが、こいつからは魔力はおろか気すら感じ取れない。あの長刀も、業物ではあろうがただの刀だ。それさえなければ、迷い込んだ一般人と見てしまっただろう。茶々丸もこの男を知らないのか、背後に気を配りつつも目前の男に視線を合わせる。


「――――――貴様、何者だ」


 烏族の頭が、警戒の色を滲ませた言葉を発する。その問いはこの場全ての総意だ。あの烏族が口を開かなければ、私が代わりに問いただしていた。


 侍の口の端が、ニヤッ、とつり上がった。侍の顔に浮かんでいるのは―――喜悦。名前を聞かれる事が、それに答える事が嬉しくて楽しくてしょうがないといった顔だ。なお更この男が分からなくなった。名前など、誰しもが持ちえる物のはずなのに。


 そして。全ての視線を柳の如く自然体で受け流し、その問いだけを受け取った男は―――





「――――――佐々木 小次郎」





 高らかに涼やかに、その名を私たちに示した。







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